仏壇の基礎知識
仏壇の歴史
日本に仏教が伝わったのは6世紀頃とされており、6世紀後半には日本で初めての仏教寺院が建立されます。7世紀には法隆寺が建立され、7世紀末には天武天皇により、『諸国に、家毎に、仏舍を作りて、乃ち仏像及び経を置きて、礼拝供養せよ』との詔が出されました(天武天皇14年3月27日)。詔勅に見える「仏舍(ぶっしゃ・ほとけのおおとの)」は現在の仏壇の祖型に当たるとして、全日本宗教用具協同組合はこの天武天皇の詔勅が出た日を記念して毎月27日は「仏壇の日」と定めています。
仏壇が全国の家々に広がるのは江戸時代になってからです。江戸時代初期に徳川幕府により実施された、全ての人がどこかの寺院に所属するように定めた寺請制度(てらうけせいど)が仏壇普及の背景にあり、忌日法要・年忌法要、お盆行事などの先祖供養、春秋の彼岸行事などが人々の間に定着し、仏壇は日本人の精神生活に欠かせない存在となりました。また、江戸時代には建築や工芸に必要な技術・道具・材料が発達し、現在見ることのできる工芸的にも優れた仏壇の姿がこの時代に登場しました。
戦後になると、それまでの職人が作る仏壇に加えて、工場で量産する仏壇も登場し、品質の優れた製品をよりたくさんのご家庭にお届けすることが出来るようになり、1990年代以降は、海外での仏壇作りも行われるようになり、現代日本においても数多くのご家庭が仏壇を安置・お祀りし、仏壇は心の支え、家庭の中心として大切にされています。